【福島の家づくり】~室温=体感温度 ではない!?~

   

こんにちは!
担当の渡辺です!

今日も朝から雪が降って気温も氷点下。
私の机は窓際なので熱が引っ張られてスース―して寒い上に足元が温まらずヒーターを付けています。
(省エネがどうだ言っているのにすみません)

それでも室温は16℃くらいあるんです。
なのに私は上着を着て仕事をしています。

室温以上に寒い・・・
体感温度が低いということですね!

ですので今日の本題は
【福島の家づくり】~室温=体感温度 ではない!?~
でお送りいたします!

快適な環境を考えるにあたり「体感温度」は非常に大切です。
体感温度の求め方は (室温+表面温度)÷2 で求めることができます。

いくら室温が快適の範疇でも、体感温度が快適であるとは限りません。

暖房をガンガンかけて温めた状態で、
窓の性能が悪ければ窓から熱がどんどん逃げていくため、あのスースーした寒さを感じて快適ではありません。
床断熱の性能が悪ければ足元から熱が引っ張られて底冷えし、こちらも快適ではありません。
気密性能が悪ければ、24時間強制的に換気をしているので、負圧となり外から隙間風が入ってくることや、あちこちから熱が移動したり奪われたりするので
尚のこと快適からは遠ざかります。

これらは「表面温度」が下がる原因であるため「体感温度」が下がる原因でもあるんです。

表面温度をなるべく高く保つこと、温度ムラを減らすことで快適性が向上するのであれば、全体的な断熱性を上げ、バランスの良い仕様を考えなければなりません。
福島の住宅は、まだまだ窓が重要視されておらず、良いと言われている窓が実は思っているよりも寒い原因を作っていることをお伝えしたいです。

壁の断熱性に対する窓の断熱性は1:3くらい(壁の3倍)までと言われます。
壁に断熱材を100ミリ(壁厚いっぱい)入れた場合の壁の熱貫流率は約0.4W/(㎡K)
福島でよく使用されている窓(外アルミ・内樹脂のペアガラス)の熱貫流率は約1.8~2.33W/(㎡K)
0.4W/(㎡K):1.8~2.33W/(㎡K)となるのでその差は約5倍です。
こうして数字に起こすとパッと見るだけで窓の大切さが分かります。

同じペアガラスでもアルミ樹脂窓1.8~2.33W/(㎡K)ではなく、樹脂窓にするだけで熱貫流率は1.3~1.5W/(㎡K)に性能向上が可能です。

壁の熱貫流率0.4W/(㎡K)の3倍以内に収まる窓まで考えると
樹脂窓トリプルガラス、熱貫流率は0.9~1.1W/(㎡K)まで性能向上が必要になってしまうのですが・・・

※三協アルミ様HPより引用

樹脂窓トリプルガラスを使うなど現実的に考えていらっしゃらなかった施主様、工務店さんは未だに多く、私の周りでもあまり見たことがありません。
樹脂窓ペアガラスでも標準採用しているところは少数派かと思います。

でも、仕様のバランスや熱の移動、体感の観点から考えても、窓の仕様は上げておきたいところです。
コスパが良い断熱性能のグレードアップについてよく聞かれますが、まずは窓です。
アルミ樹脂の窓をやめて、樹脂にしていただくだけで全然違うと思います。

外皮計算など、住宅性能を計算したことがある実務者なら、断熱性能がこんなに簡単に大きく変動する部分は窓しかないと気付くはずなんです。
住宅性能との向き合い方は工務店によりそれぞれですが、暖かい・涼しいを謳うのであれば、樹脂窓のメリットは押さえておいても損はありません。

体感温度や温度ムラ、各箇所の仕様など、このような部分にも目を向けて工務店さんを選ぶと、より良い工務店さんに巡り合う可能性が高まると思います。
是非とも参考にしていただけたら嬉しいです!

※部位別熱貫流率の参考
床(基礎)断熱材100ミリの場合 熱貫流率は約0.33W/(㎡K)
屋根(天井)断熱材300ミリの場合 熱貫流率は約0.14W/(㎡K)
壁 断熱材100ミリの場合 熱貫流率は約0.4W/(㎡K)
対して窓は↓↓↓
アルミ樹脂ペアガラスの場合 熱貫流率は約1.8~2.33W/(㎡K)
樹脂ペアガラスの場合 熱貫流率は約1.3~1.5W/(㎡K)
樹脂トリプルガラスの場合 熱貫流率は約0.9~1.1W/(㎡K)

これらを外皮総面積の平均値として算出したものがUA値(外皮平均熱貫流率)になり、
4地域の伊達市ではUA値0.75W/(㎡K)が省エネ基準値です。
(快適性、省エネ性においては基準値は最低ラインです)

(株)渡辺工務店
担当 渡辺